燕市井土巻の耳鼻科クリニック

 

アレルギー免疫療法(舌下免疫療法)のご案内

◯舌下免疫療法について
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となっている物質(アレルゲン)を少量ずつ毎日体内に取り入れることで、徐々に体をアレルゲンに慣らし、アレルギー反応を起こしにくくしていく治療です。
一般的な抗アレルギー薬が症状を抑える治療であるのに対し、舌下免疫療法はアレルギーそのものを改善することを目指す治療です。

治療により、
✅くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状の軽減
✅アレルギー治療薬の使用量の減少
✅日常生活の質(QOL)の改善
などが期待できます。

およそ7~8割の方で、症状の改善やアレルギー治療薬の減量が期待できます。
ただし、すべての方に十分な効果が得られるわけではなく、効果の程度には個人差があります。


◯対象となる疾患
現在、保険診療で舌下免疫療法を行うことができるのは、以下の2つです。

🌲 スギ花粉症
スギ花粉の飛散時期には、新たに治療を開始することができません。
来春の花粉シーズンに備える場合は、11月頃までの開始をおすすめしています。

🏠 ダニによるアレルギー性鼻炎
季節にかかわらず、年間を通して治療を開始することができます。

※治療を開始する前に、血液検査などで原因となるアレルゲンを確認する必要があります。


◯ 舌下免疫療法を受けられない方・開始に注意が必要な方🚫
舌下免疫療法は、すべての方に行える治療ではありません。

❌ 治療を行うことができない方
・重症の気管支喘息がある方
・舌下免疫療法のお薬によってショックを起こしたことがある方
重症の喘息がある場合、治療によるアレルギー反応によって喘息発作が誘発されたり、重症化したりする可能性があるため、舌下免疫療法を行うことはできません。

🤰 妊娠中・妊娠を予定されている方
妊娠中は、治療開始時の副作用による全身性アレルギー反応などのリスクを考慮し、原則として新たな舌下免疫療法の開始はおすすめしていません。
すでに治療を継続し、安定している状態で妊娠された場合は、治療を継続できることもありますので、自己判断で中止せずご相談ください。
妊娠を希望されている方も、治療開始前に医師へお知らせください。

⚠️ 治療開始を慎重に判断する方
次のような場合は、病状や使用しているお薬などを確認したうえで、治療が可能か個別に判断します。
・気管支喘息のある方
・悪性腫瘍の治療中の方
・自己免疫疾患や免疫不全など、免疫系に影響する病気のある方
・重い心疾患、肺疾患、高血圧症のある方
・全身性ステロイド薬を使用している方
・一部のβ遮断薬、抗うつ薬などを使用している方
・抜歯後や口内炎など、口の中に傷や強い炎症がある方
・高齢の方
現在治療中の病気や服用中のお薬がある場合は、治療開始前に必ずお知らせください。


◯対象年齢
おおむね5歳以上で、舌の下にお薬を1分間保持するなど、正しい方法で服用できる方が対象となります。
小さなお子さまの場合は、本人が服用方法を理解し、安全に治療を続けられるかを確認したうえで開始します。

🎒 小児期から舌下免疫療法を始めるメリット
舌下免疫療法は、お子さまの現在の鼻炎症状を軽くするだけでなく、将来を見据えた治療としても期待されています。

🌸 メリット① 受験シーズンのつらい花粉症症状を軽減できる可能性
スギ花粉の飛散時期は、中学・高校・大学などの受験シーズンと重なります。
強い鼻づまりやくしゃみ、鼻水などは、睡眠や集中力にも影響し、勉強や試験の負担となることがあります。
小児期から舌下免疫療法を継続することで、将来のスギ花粉シーズンの症状を軽減し、使用するお薬を減らせる可能性があります。
受験を迎える頃に少しでも快適に春を過ごせるよう、早い時期から治療を開始することも選択肢のひとつです📚

🫁 メリット② 将来の気管支喘息の発症リスクを抑えられる可能性
アレルギー性鼻炎と気管支喘息は深い関係があり、小児のアレルギー性鼻炎が、その後の喘息発症につながることがあります。
アレルゲン免疫療法には、鼻炎症状を改善するだけでなく、将来の気管支喘息の発症や進展を抑える可能性があることが報告されています。
小児の舌下免疫療法についても、喘息の発症・悪化を抑える可能性が期待され、研究が進められています。

🌱 メリット③ 新たなアレルギー感作を予防できる可能性
成長とともに、今まで反応していなかった花粉やダニなど、**新しいアレルゲンに反応するようになる(新規感作)**ことがあります。
アレルゲン免疫療法には、このような新しいアレルギー感作を抑え、アレルギー疾患の広がりを予防できる可能性も期待されています。

※②③については研究が続けられている段階であり、すべてのお子さまで喘息の発症や新たなアレルギー感作を予防できることが確立しているわけではありません。


◯治療期間📅
十分な効果を得て、その効果を長く持続させるためには、3~5年間の継続治療が推奨されています。
毎日服用する治療のため、無理なく長期間続けることが大切です。


◯ 治療開始後の通院について🏥
治療開始時は、まず初期導入量のお薬から開始します。
初回の服用は院内で行い、服用後は約30分間院内で待機していただき、体調に変化がないか確認します。
その後はご自宅で毎日服用していただきます。

 約1週間後に再診していただき、副作用などの問題がないことを確認したうえで、維持量のお薬へ変更します。

維持量での治療が安定した後は、月1回程度の定期通院となります。


◯ 服用方法💊
1日1回、錠剤を舌の下に置き、1分間保持した後に飲み込みます。
服用後5分間は、うがいや飲食を控えてください。

また、副作用を避けるため、服用前後は以下の点にご注意ください。
⚠️ 激しい運動
⚠️ 飲酒
⚠️ 入浴
これらは服用前後2時間程度、できるだけ避けていただきます。

⏰ おすすめの服用時間帯
舌下免疫療法は毎日継続することが大切ですが、服用前後に安静を保てる時間帯に服用することも重要です。
特に小学生や中高生で、学校から帰宅したあとすぐに部活動やスポーツを行う場合は、帰宅直後の服用は避けることをおすすめします⚽🏃

当院では、副作用が起こりやすい治療開始直後の安全性を考慮し、

🌅 治療開始から最初の2~3週間
→ 起床後の安静にできる時間帯での服用をおすすめしています。
治療開始直後は口の中のかゆみや腫れなどの副作用が出やすいため、症状が出た場合にも本人やご家族が気づきやすい時間帯に服用することが大切です。

🌙 治療に慣れ、副作用が落ち着いてきたら
→ 就寝前など、毎日安静に過ごせる時間帯での服用に変更して構いません。

朝であれば起床後、夜であれば就寝前など、毎日無理なく続けられ、その後に激しい運動や入浴などの予定がない時間帯を生活習慣の中に組み込むことをおすすめします。


◯ 副作用について⚠️
治療開始初期には、
・口の中のかゆみ、違和感
・舌や口唇、口の中の腫れ
・喉の違和感、かゆみ
・耳のかゆみ

などがみられることがあります。
多くは軽度で、治療を続けるうちに改善していくことがほとんどです。

一方、ごくまれに、
🚨 呼吸が苦しい
🚨 全身にじんましんが出る
🚨 血圧が低下する

などの重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。
そのため、初回の服用は必ず院内で行い、安全を確認してからご自宅での治療を開始します。


◯ 舌下免疫療法をご検討の方へ🌱
「毎年スギ花粉症がつらい」
「薬を飲んでも症状が強い」
「できるだけ薬の量を減らしたい」
「子どものうちから将来を見据えた治療をしたい」
「ダニによる鼻炎を長期的に改善したい」
このような方は、舌下免疫療法をご検討ください。

治療をご希望の方、詳しい説明を聞いてみたい方は、診察時にお気軽にご相談ください😊

c ささき耳鼻咽喉科. All Right Reserved.